その他
環境中の微小粒子状物質(PM2.5-10)と死亡率との関連を全世界で調査した研究結果が報告されています。 Liu C, Cai J, Chen R, Sera F, Guo Y, Tong S, et al. Coarse Particulate Air Pollution and Daily Mortality: A Global Study in 205 Cities. Am J R…
2020年8月に、新型コロナウイルス感染において肺の線維化が急激に進行する一例の症例が報告されました。 Combet M, et al. Rapid onset honeycombing fibrosis in spontaneously breathing patient with COVID-19. Eur Respir J 2020 この症例は、新型コロナ…
院内急変は避けなければなりませんが、やはり一定の確率で経験します。モニターをつけていればその直前の呼吸パターンや脈拍で病態の類推が可能なこともありますが、なかなか原因の同定には難しいことも多いです。 Lynn LA, Curry JP. Patterns of unexpecte…
抗がん剤治療中の大血管炎の発症、私自身はまだ経験したことはありません。 Taimen K, et al. Granulocyte colony-stimulating factor- and chemotherapy-induced large-vessel vasculitis: six patient cases and a systematic literature review. Rheumato…
新型コロナウイルス感染症の急性期の肺病理組織は感染のリスクから調べることが難しいのが現状です。そのような状況下で急性期の肺病理12例を調べた研究がイタリアから報告されています。 Doglioni C, et al. Covid-19 Interstitial Pneumonia: Histological…
今日は間質性肺炎ではなく、アレルギー感作と喘息、鼻炎の話です。 スウェーデンで行われた大規模な観察研究で、アレルギー感作が成人でもアレルギー性疾患の危険因子であることを報告しています。 Rönmark EP, et al. Different risk factor patterns for a…
2022年1月の最新のJAMAに、COVID-19の呼吸管理に対して、CPAP(持続陽圧呼吸療法)とHFNC(高流量鼻カニュラ酸素療法)とを通常酸素投与と比較した試験がイギリスから報告されました。 コロナ禍でHFNCが大いに取り上げられていますが、今一度CPAPの有用性を…
肺炎をきっかけに両側の肺に影が出現し重度の呼吸不全を呈することがあります。このような病態を急性呼吸窮迫症候群(ARDS; acute respiratory distress syndrome)と呼びますが、どのような臨床的な因子が予後と関連があるのか、まだあまりわかっていません…
日本から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化の予測モデルを構築した研究が報告されました。 Muto Y, et al. Predictive model for the development of critical coronavirus disease 2019 and its risk factors among patients in Japan. Respir …
COVID-19の重症化リスクと特発性肺線維症(IPF)の遺伝的背景を調べた研究が報告されました。 Fadista J, et al. Shared genetic etiology between idiopathic pulmonary fibrosis and COVID-19 severity. EBioMedicine 2021;65:103277. 背景 特発性肺線維症…
重症COVID-19後の線維化をきたす予測因子を検討した研究がRadiology2021に報告されています。 Han X, et al. Six-month Follow-up Chest CT Findings after Severe COVID-19 Pneumonia. Radiology 2021;299:E177–86.S 背景 新型コロナウイルス感染症(COVID-…
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染後には長期的な肺の線維化が問題となる場合があります。COVID-19後の長期的な肺の線維化のリスクを調べた研究が中国から報告されています。 Huang W, et al. The potential indicators for pulmonary fibrosis in…
2020年12月にヨーロッパから間質性肺炎患者でCOVID-19に感染した場合のリスクが研究され、Am J Respir Crit Care Medに報告されました。 Drake TM, et al. Outcome of Hospitalization for COVID-19 in Patients with Interstitial Lung Disease. An Interna…
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクの一つに間質性肺炎があげられていますが、韓国のDPCデータベースに登録された約8000例の新型コロナのデータを用いた研究が報告されました。 Lee H, et al. Interstitial lung disease increases suscept…
今日はちょっと気管支喘息のお話です。 気管支喘息の治療の進歩はすさまじく、従来の吸入薬や内服薬だけでなく、多くの生物学的製剤が開発されてきました。 現在、気管支喘息で使用できる生物学的製剤は以下の4つです。 抗IgE抗体:オマリズマブ(ゾレア) …
喫煙(ニコチン)とサルコイドーシスには深い関係がありますが、今年のCHEST誌にサルコイドーシス患者に対するニコチン治療の研究が報告されています。 Crouser ED, et al. A Pilot Randomized Trial of Transdermal Nicotine for Pulmonary Sarcoidosis. Ch…
過去2日間の記事で、サルコイドーシスには地域性があり、人種によって肺病変の病型が異なることを報告しました。 それぞれの記事は以下のリンクよりご覧ください。 それでは、日本におけるサルコイドーシスの実態はどのようなものでしょうか。 Brito-Zerón P…
サルコイドーシスは地域性があり、日本ではとてもまれな疾患です。 肺は重要な臓器合併症の一つですが、無症状やリンパ節が腫大するだけのものから、強い肺の線維化を起こし、息切れや酸素状態の悪化をきたすものまで、その病型は極めて多彩です。 実は、そ…
サルコイドーシスは、全身の様々な臓器を病変とする原因不明の疾患で、日本ではとても稀な疾患です。 特に間質性肺炎は重要な臓器病変の一つといわれており、サルコイドーシスにおける間質性肺炎の有病率に関しては、以下の記事でも報告しています。 しかし…
COVID-19の新たな治療薬となりうる薬剤に関する報告です。 うつ病の患者では、セロトニン量の減少が指摘されています。 フルボキサミンは選択的なセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI; Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)であり、脳内のセロトニン量を…
気管支喘息の治療の一つに気管支サーモプラスティ(BT; bronchial thermoplasty)があります。 気管支サーモプラスティは、重症喘息を治療するための気管支鏡下の手技の一つであり、高周波電流により気管支壁を加熱することで、気管支平滑筋を減少させ、喘息…
リジン尿性蛋白不耐症という病気をご存じでしょうか。前回の記事で簡単にまとめていますので、まだ読まれていない方は、一度ご覧ください。 多彩な症状を呈するといわれていますが、肺の合併症として、間質性肺炎が指摘されています。 2015年にフランスから1…
リジン尿性蛋白不耐症という病気をご存じでしょうか。 この記事をお読みいただいている方からリジン尿性蛋白不耐症に伴う間質性肺炎のことを教えていただきました。 私自身、間質性肺炎を専門としていますが、お恥ずかしい話でこの原因については勉強が不足…
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の遷延する症状(いわゆる後遺症)についての様々な研究が報告されています。しかし、これらの報告は感染者を対象とした横断的な研究が中心であり、COVID-19との因果関係は不明です。 そこで、アメリカの大手医療保険会…
本日は間質性肺炎ではなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD; chronic obstructive pulmonary disease)に関する報告です。 COPDとは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患です。時に感染などにより増悪することが知られ、呼…
新型コロナウイルス感染後の持続する症状(いわゆる後遺症)は様々ありますが、息切れを自覚することもあるようです。例えばイタリアからの報告では、発症60日時点で43%の方が呼吸困難を自覚されていました(以下記事をご覧ください)。 なぜこのような呼吸…
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した患者の家族について、長期的な不安などの症状を調べた研究が報告されました。 McPeake J, et al. Long-term Outcomes Following Severe COVID-19 Infection: A Multicenter Cohort Study of Family Member Ou…
新型コロナウイルスに感染した後に経験しうる様々な症状について、過去の記事で報告をさせていただきました。報告によってその頻度は極めて変動することがわかるかと思います。 しかし、どのような方が症状が持続しやすいのか、実はまだあまりわかっていませ…
新型コロナ感染後の経過に関する中国の報告の続きです。 Huang C, et al. 6-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospital: a cohort study. Lancet 2021;397:220–32. 前回と重なりますが、本研究の患者背景は、年齢の中央値は57歳…
新型コロナ感染後の経過に関する海外からの報告です。 中国の新型コロナウイルス感染症を発症した2469例のうち、退院した1733例の経過に関する研究が報告されました。 Huang C, et al. 6-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospit…