呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

間質性肺炎を専門とする呼吸器内科専門医。もっと間質性肺炎を広く正しく知ってほしい。患者さんやご家族の方、間質性肺炎診療にかかわる医療従事者の方への情報提供を目的としたブログです。

【保存版】間質性肺炎で調べる血液検査:KL-6

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間質性肺炎の血液検査のうち、日本ではKL-6(Krebs von den Lungen-6)が普及しています。

  • もともとは肺癌細胞に反応する抗体の一つとして抗KL-6抗体が作製されました。
  • その抗体が検出するKL-6が、実は健常人よりも間質性肺炎患者において異常高値を示すことが明らかとなりました。
  • その後、KL-6は実は肺ではⅡ型肺胞上皮細胞や気管支上皮細胞の管腔側に発現していることがわかっています。

KL-6の基準値は500 U/ml未満です。

間質性肺炎では上昇することがあり、疾患によっては間質性肺炎の病勢のマーカーとして有用なこともあります。

 

 

過敏性肺炎

過敏性肺炎の中には、KL-6が季節性に変動するタイプがあることが知られています。

夏や冬のある時期に上昇し、自然に低下する。過敏性肺炎の診断はなかなか難しいことが多いですが、この特徴的なKL-6の上下が診断の一助となることがあります。

  • 詳しくはこちらの記事もご覧ください▼▼▼


 

膠原病

膠原病領域でもその有効性は少しずつ報告されてきました。以下に各疾患とKL-6の関係について、各リンクからぜひご覧ください。

全身性強皮症に伴う間質性肺炎

 

皮膚筋炎/多発性筋炎に伴う間質性肺炎

 

 

その他

間質性肺炎の重要な合併症の一つに肺がんがありますが、その手術後の急性増悪を予測する指標の一つにもKL-6は用いられています。

また、これまでの報告のほかに、

  • 肺がんや膵がん、乳がんのなどの悪性腫瘍
  • 感染症(ニューモシスチス肺炎やサイトメガロウイルス肺炎など)
  • 肺胞蛋白症

などの間質性肺炎以外でもKL-6は上昇することが知られていますので、注意が必要です。

 

 

外来では症状も変わらず、間質性肺炎が安定していても、KL-6が変動することを経験します。KL-6はあくまで一つのバイオマーカーであり、その上下のみで病勢を判断することはできませんが、評価指標の一つとして参考にしています。

 

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(最終アップデート:2021年12月28日)