呼吸器専門医の間質性肺炎ブログ

間質性肺炎を専門とする呼吸器内科専門医。もっと間質性肺炎を広く正しく知ってほしい。患者さんやご家族の方、間質性肺炎診療にかかわる医療従事者の方への情報提供を目的としたブログです。毎日11時に更新しています。

特発性肺線維症の総論
特発性肺線維症の治療薬
間質性肺炎の新たな治療戦略
過去の記事一覧

「ANCA関連血管炎に対する低用量ステロイドとリツキシマブ」

抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の標準治療の一つに、

高用量ステロイドとシクロホスファミドまたはリツキシマブの併用療法がありますが、

高い寛解率を示す一方で、副作用が多いのが懸念でした。

 

そこで今回、低用量ステロイドとリツキシマブの併用レジメンを、標準治療(高用量ステロイドとリツキシマブ併用レジメン)との有効性と副作用を比較した研究が報告されました。

f:id:fibrosis:20210703113631p:plainEffect of Reduced-Dose vs High-Dose Glucocorticoids Added to Rituximab on Remission Induction in ANCA-Associated Vasculitis: A Randomized Clinical Trial

 

デザイン:第4相多施設共同非盲検無作為化非劣勢試験

対象:20歳以上のANCA関連血管炎(新規診断)140例、ANCA陽性

 除外:eGFR<15ml/minの糸球体腎炎や2L/min以上の酸素投与が必要な肺胞出血、過去6か月以内にリツキシマブやベリムマブなど使用歴あり、など

 

介入:低用量ステロイド(PSL0.5mg/kg/day)+RTX375mg/m2/w×4

対象:高用量ステロイド(PSL1.0mg/kg/day)+RTX375mg/m2/w×4

 

結果:

6か月後の寛解率は

であり、両群に差はありませんでした(非劣性)。

 

重篤な有害事象は

であり、特に重篤感染症は低用量ステロイド群で7%、高用量ステロイド群で20%であった。

 

重症の糸球体腎炎や肺胞出血を伴わないANCA関連血管炎の新規診断患者において、

低用量ステロイドとリツキシマブ併用療法は、

高用量ステロイドとリツキシマブ併用療法に比べて、

6か月後の寛解率は劣らない結果でした。

 

リツキシマブを併用することで、これまでよりステロイド量が減量できる可能性に期待しています。