呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

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強皮症の間質性肺炎の合併率は約52%(推定)

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全身性強皮症における間質性肺炎の合併率は実際にはわかっていません。カナダの多施設コホート研究から、間質性肺炎の合併率を推定するアルゴリズムが提案されました。

Steele R, Hudson M, Lo E, Baron M, Canadian Scleroderma Research Group. Clinical decision rule to predict the presence of interstitial lung disease in systemic sclerosis. Arthritis Care Res 2012;64:519–24.

 

目的

全身性強皮症(SSc)における間質性肺疾患(ILD)の存在を予測する臨床的判断ルールを開発し、SSc-ILDの有病率を推定することである。

 

方法

Canadian Scleroderma Research Groupのレジストリから患者データを抽出した。

  • 肺の聴診、胸部X線撮影(CXR)、および努力肺活量(FVC)に基づき、臨床判断ルールの3つのアルゴリズムを検討した。
  • 胸部高分解能CT(HRCT)スキャンをゴールドスタンダードとして使用し、3つのアルゴリズムの診断特性を決定した。
  • HRCTデータが欠損している場合はMultiple imputationによりインプットし、HRCTへの紹介の差によるバイアスを回避した。

 

3つのアルゴリズム
  • アルゴリズムA:聴診で捻髪音±胸部レントゲンで間質の異常陰影
  • アルゴリズムB:FVC<70%かつFEV1/FVC>70%
  • アルゴリズムC:FVC<80%かつFEV1/FVC>70%

 

結果

本研究には1,168人の患者が含まれた。

  • HRCTスキャンを受けた患者のうち、65%がILDの証拠を有していたのに対し、身体診察では26%、CXRでは22%であった。
  • HRCTを受けなかった患者のFVCは、受けた患者に比べて8.8%高値であった(95%信頼区間[95%CI]6.0~11.6%)。

(図. 各アルゴリズムのILDを予測する感度・特異度、陽性的中率・陰性的中率。文献より引用掲載)

 

ILDを予測する各アルゴリズムの尤度比は、アルゴリズムAが3.9、アルゴリズムBが3.2、アルゴリズムCが2.2であった。

 

コホートにおけるILDの有病率は52%(95%CI 46-59%)と推定された。

 

 

<まとめ>

SScにおけるILD合併を予測するためのアルゴリズムが提案され、カナダの多施設コホート研究では間質性肺炎の合併率は52%と推定された。

 

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