呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

間質性肺炎を専門とする呼吸器内科専門医。もっと間質性肺炎を広く正しく知ってほしい。患者さんやご家族の方、間質性肺炎診療にかかわる医療従事者の方への情報提供を目的としたブログです。

筋炎関連ILD:胸部CTと自己抗体を用いたクラスター解析

特発性炎症性筋疾患の重要な合併症に間質性肺炎がありますが、フランスからの報告で、胸部CT所見により患者が大きく分類され、さらに筋炎特異的自己抗体との関連が明らかとなりました。 Laporte A, et al. Idiopathic inflammatory myopathies: CT character…

ニンテダニブを減量、中止した場合の効果

ニンテダニブの有害事象は下痢が最多ですが、有害事象によってニンテダニブを中断したり減量したりします。今回治験の結果から、ニンテダニブの中断、減量を行っても効果はそれほど変化がないことが報告されました。 Cottin V, et al. Safety and tolerabili…

pre or post?間質性肺炎に合併する肺高血圧症

間質性肺炎の重要な合併症の一つに肺高血圧症があります。今回間質性肺炎に合併した肺高血圧症の分類として、post-capillary PHとpre-capillary PHを比較した大変重要な研究が日本から報告されています。 Teramachi R, et al. Impact of post-capillary pulm…

PF-ILDの頻度と予後との関係(日本)

間質性肺炎の中には線維化が進行する一群がありPF-ILDとして注目されています。日本のコホート研究からPF-ILDを認める頻度や予後との関係を述べた研究が報告されました。 Takei R, Brown KK, Yamano Y, Kataoka K, Yokoyama T, Matsuda T, et al. Prevalence…

CYFRA21-1、特発性肺線維症の新たなバイオマーカーの可能性

CYFRA21-1が特発性肺線維症の重要なバイオマーカーである可能性が示唆されました。 Molyneaux PL, et al. CYFRA 21-1 Predicts Progression in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: A Prospective Longitudinal Analysis of the PROFILE Cohort. Am J Respir Cri…

リウマチ患者の間質性肺炎の発症リスク因子

関節リウマチの重要な合併症に間質性肺炎がありますが、今回関節リウマチの患者が間質性肺炎を合併しうるリスク因子が報告されました。 Kronzer VL, et al. Lifestyle and Clinical Risk Factors for Incident Rheumatoid Arthritis-associated Interstitial…

リウマチに伴う間質性肺炎:急性増悪後の90日死亡率と予後予測モデル

関節リウマチに伴う間質性肺疾患の急性増悪後の予後及び予後予測モデルが日本から報告されました。 Hozumi H, Kono M, Hasegawa H, Kato S, Inoue Y, Suzuki Y, et al. Acute exacerbation of rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease: m…

進行性ILDに対するTBLCは診断と治療方針の決定に有用

肺の病理所見を確認する際に、最近ではクライオバイオプシーを行うことがあります。進行性の経過がある間質性肺炎の再診断や治療方針の変更の決定にクライオバイオプシーが有用性である可能性が示唆されています。 Sato Y, et al. Usefulness and safety of …

深層学習を用いた進行性間質性肺炎の予後予測

間質性肺炎の画像解析に関しては、深層学習(deep learing)を用いたAIの発展が目まぐるしいものがあります。 Walsh SL, et al. Deep Learning-based Outcome Prediction in Progressive Fibrotic Lung Disease Using High-resolution Computed Tomography. …

リウマチのメトトレキサートは死亡率低下(SR&MA2022)

関節リウマチのキードラッグであるメトトレキサートへの注目が集まっています。間質性肺炎の患者でも死亡率が低下することが、中国からのシステマティックレビュー、メタアナリシスで報告されました。 Xu J, Xiao L, Zhu J, Qin Q, Fang Y, Zhang J-A. Metho…

膠原病に伴う間質性肺炎の生存率(デンマーク)

膠原病に伴う間質性肺疾患の有病率、生存率、膠原病以外の間質性肺疾患との生存率の比較がデンマークから報告されました。 Hyldgaard C, Bendstrup E, Pedersen AB, Pedersen L, Ellingsen T. Interstitial Lung Disease in Connective Tissue Diseases: Sur…

強皮症に伴う肺高血圧症、間質性肺炎との関連(スペイン2022年)

全身性強皮症の重要な合併症に肺高血圧症がありますが、その臨床的背景や間質性肺疾患との関連はあまりまだわかっていませんが、今回スペインのコホート研究を用いた研究結果が報告されました。 Guillén-Del-Castillo A, Meseguer ML, Fonollosa-Pla V, Gimé…

リウマチに伴う間質性肺炎とメソトレキセート(2017年メキシコ)

最近のトレンドは関節リウマチに伴う間質性肺炎とメソトレキセートの関係です。 2017年の過去の報告ですが、メソトレキセートが実は間質性肺炎に対してそれほど有害ではない可能性が示唆される報告を提示します。 Rojas-Serrano J, Herrera-Bringas D, Pérez…

PM2.5の死亡への影響

環境中の微小粒子状物質(PM2.5-10)と死亡率との関連を全世界で調査した研究結果が報告されています。 Liu C, Cai J, Chen R, Sera F, Guo Y, Tong S, et al. Coarse Particulate Air Pollution and Daily Mortality: A Global Study in 205 Cities. Am J R…

IPFの新たな予後予測モデル:DO-GAP

特発性肺線維症(IPF)の予後予測モデルにGAPモデルがありますが、今回このGAPモデルに6分間歩行試験の歩行距離と労作時低酸素血症を加えた改訂版GAPモデルが報告されました。 Chandel A, Pastre J, Valery S, King CS, Nathan SD. Derivation and validatio…

ILAの有病率(中国の検診データ)

ILA

中国から検診データを用いたILA(Interstitial lung abnormalities)の有病率とその後の進行、進行リスク因子が報告されました。 Zhang Y, Wan H, Richeldi L, Zhu M, Huang Y, Xiong X, et al. Reticulation is a Risk Factor of Progressive Subpleural no…

IPF合併肺がんのニンテダニブ+化学療法(J-SONIC)

特発性肺線維症(IPF)患者の重要な合併症に肺癌がありますが、間質性肺炎があると使用可能な抗がん剤の種類も限られます。さらにニンテダニブの併用による効果も期待されており、今回日本の多施設研究から、最新のIPF合併肺癌の治療に関する知見が報告され…

抗SRP抗体陽性IMNMの間質性肺炎合併頻度

免疫介在性壊死性ミオパチーの間質性肺炎の合併に関して、中国からまとまった報告が発表されました。 Ge Y, Yang H, Xiao X, Liang L, Lu X, Wang G. Interstitial lung disease is not rare in immune-mediated necrotizing myopathy with anti-signal reco…

在宅酸素療法の副作用とQOL(スウェーデン)

病院外での酸素療法は、日本ではよくHOT(在宅酸素療法)といいますが、海外では長期間行うことが重要と考えられており、LTOT(Long-term oxygen therapy)と表現されます。 今回スウェーデンから、このLTOTの副作用、生活習慣、QOLに関する重要な最新の知見…

肺のびまん性肺骨化症

胸部CTで間質性肺炎をみる際に、時に骨化を認めることがあります。このびまん性肺骨化症について、日本の放射線科の大変ご高名な先生から重要な研究結果が報告されています。 Egashira R, et al. Diffuse Pulmonary Ossification in Fibrosing Interstitial …

IPFに対するPDE4B阻害薬(第2相試験)

間質性肺炎の代表的な疾患に特発性肺線維症(IPF)がありますが、まだ根本的な治療法は見つかっておらず、予後不良な疾患です。 ★IPFに関しては以下の記事もご覧ください。 現在、IPFの治療薬には2種類の抗線維化薬がありますが、いずれも進行のスピードを抑…

抗原曝露の頻度(カナダの多施設コホート研究)

間質性肺炎では様々な抗原曝露の有無について病歴を聴取します。カナダのコホート研究から、間質性肺炎における抗原曝露の頻度が報告されました。 Lee CT, Strek ME, Adegunsoye A, Wong AW, Assayag D, Cox G, et al. Inhalational exposures in patients w…

ニンテダニブのINBUILD試験サブグループ別の効果

進行性線維化を伴う間質性肺疾患に対するニンテダニブの有効性を示したINBUILD試験ですが、そのサブグループ解析が報告されています。 Maher TM, Brown KK, Kreuter M, Devaraj A, Walsh SLF, Lancaster LH, et al. Effects of nintedanib by inclusion crit…

進行性肺線維症に対するニンテダニブの有効性(システマティックレビューとメタ解析)

進行性肺線維症に対するニンテダニブ(商品名:オフェブ)のシステマティックレビューとメタ解析の結果が明らかとなりました。 Pulmonary histopathology of interstitial lung disease associated with antisynthetase antibodies - PubMed (nih.gov) ピル…

進行性肺線維症に対するピルフェニドンの有効性(システマティックレビューとメタ解析)

抗線維化薬であるニンテダニブのPF-ILDに対するの有効性は明らかであり、実臨床でも用いられています。しかし、特発性肺線維症(IPF)に対する抗線維化薬には現在2種類があり、もう一方の抗線維化薬であるピルフェニドンに関しては、その有効性は明らかでは…

IPAFは特発性間質性肺炎の予後良好な因子(日本からの多施設共同前向き観察研究)

IPAFとは膠原病の分類基準は満たさないが、膠原病の匂いのする間質性肺炎を指しますが、日本からIPAFに関する重要な多施設共同前向き観察研究が報告されました。 Prospective nationwide multicentre cohort study of the clinical significance of autoimmu…

抗ARS抗体の種類毎の初発臓器と最終観察時点の症状発現臓器

抗ARS抗体は現在8種類が発見されていますが、その抗体毎で症状の発現好発部位は異なります。2019年にアメリカとヨーロッパの抗ARS抗体症候群ネットワーク(AENEAS)から、抗ARS抗体の種類によって症状の発現が異なることが報告されました。 Cavagna L, Trall…

抗ARS抗体毎の肺病理所見の特徴(2022年)

抗ARS抗体は間質性肺炎の原因を検索するうえで非常に重要な自己抗体です。現在8種類の抗ARS抗体が見つかっていますが、その抗体毎の肺病理所見を検討した最新の研究が報告されています。 Flashner BM, et al. Pulmonary histopathology of interstitial lung…

TBLCは異なる部位から複数回採取がよい

クライオバイオプシー(TBLC、経気管支肺凍結生検)について約700例の経験をまとめた研究がイタリアから報告されています。 Ravaglia C, Wells AU, Tomassetti S, Gurioli C, Gurioli C, Dubini A, et al. Diagnostic yield and risk/benefit analysis of tr…

全身性強皮症に伴う間質性肺疾患:非喫煙者でも病理で気腫性変化

全身性強皮症(SSc)の臓器病変のなかでも、間質性肺炎は頻度が高く、重要な合併症です。この全身性強皮症に伴う間質性肺炎では、非喫煙者であっても気腫性変化が目立つことを経験します。そこに着目した研究が2018年に日本から報告されました。 Yamakawa H,…